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PFCバランスで1日の食事量を計算するダイエット PFCバランスの基本

PFCバランスで1日の食事量を計算するダイエット PFCバランスの基本

ダイエットをするにあたって重要なことは、運動と食事についての計画です。ダイエットは簡単に言えば摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスで消費エネルギーが多ければ痩せるという単純なものです。それでもダイエットは難しいもので。
「運動しているのに痩せない、食べてないのに痩せない、何故?どうして?もしかして空気に栄養があるのか!?」そういう疑心暗鬼によく陥ります。

でも、やっぱり原因は摂取と消費のバランスにあるとしか言えないのです。特に「食べていないのに」と思った人は要注意です!このキーワードが重要だったりします。ちょっと考えてみて下さい、どのくらい食べてないのでしょうか?

答えに詰まった方…ぜひPFCバランスを取り入れてみて下さい。PFCバランスの詳しい解説は後述していますが、PFCバランス計算ツールもありますので使ってみてください。

 

PFCバランスを簡単に解説

最近、良く耳にするPFCバランスという言葉ですが、どういう意味でしょうか?

  • P:プロテイン(たんぱく質)
  • F:ファット(脂質)
  • C:カーボ(炭水化物

PFCとは、3大栄養素である「たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbo)」の頭文字を取ったもので、そのバランスをPFCバランスと呼んでいます。人の身体は、大雑把に3つの栄養素から出来ているので、この栄養素をどのくらい食べるかで身体の作られ方に影響するのです。

5大栄養素だとビタミンとミネラルが加わり、6大栄養素だとさらに食物繊維が加わります。[1]

PFCを詳しく説明

PFCは3大栄養素であることは前述しましたが、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbo)がどのような役割を担っているかを説明していきましょう。

P:プロテイン・たんぱく質

Pプロテインたんぱく質

カロリー:4kcal/g
1日のたんぱく質量:体重kg × 1g(健康維持)

たんぱく質は、人の身体を作る基本になる栄養素です。筋肉をはじめ、皮膚や髪、内臓などの臓器、ホルモンの材料、身体を動かすためのエネルギーにもなります。ちなみに骨もたんぱく質から作られまます。たんぱく質を分解したアミノ酸からコラーゲンが作り出され、それが骨の基になるのです(強度を増すためにカルシウムが使われる)。
さらに、たんぱく質にはいくつもの役割があって、酵素たんぱく質や輸送たんぱく質など身体の機能を維持するために働いているたんぱく質があり、絶対に欠かせない栄養素なのです

たんぱく質(ホエイやガゼイン)は、の肉類をはじめ、魚介類、卵、乳製品などに含まれています。ホエイは酸性のため胃からの排出速度が早く小腸で素早く吸収されますが、カゼインは胃酸によって固まって沈殿してしまうため吸収が緩やかです。植物にも含まれていて米、小麦、大豆にも含まれています。[2,3]

たんぱく質の摂取量基準の詳しい解説

F:ファット・脂質

Fファット脂質

カロリー:9kcal/g
1日の脂質量:総カロリーの10~30%

脂質は、効率の良いエネルギー源であり、ホルモンの材料、生体膜(細胞や核などの膜)、髄鞘(神経を包む膜)の材料にも使われています。
ダイエットをしていると脂質を避けがちですが、不足してしまうと細胞などで膜を作ることが出来なくなるので身体のあらゆるところで正常な代謝が行われず劣化していきます。肌や髪に艶がなくなり、ホルモンの生成が上手く回らくなるので美容の面からも悪い影響を受けます。[4,5]

脂質の摂取量基準の詳しい解説

C:カーボ・炭水化物

Cカーボ炭水化物

カロリー:4kcal/g
1日の炭水化物量:総摂取kcal – たんぱく質kcal – 脂質kcal

炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせた総称です。PFCで表すときのCは主に糖質を指しますので食物繊維が多い食品(例:玄米など)でC(カーボ)を考えるときには注意しましょう。
糖質は、エネルギー源として最も使われる栄養素です。糖質が不足してしまうと思考が鈍ったり身体が思うように動かせなくなるなどの影響が出ます。

最近ではケトジェニックダイエットなど炭水化物を制限または排除したダイエット方法がありますが、非常に食事管理が難しい方法で、私のように管理ができないと糖質の代わりとなるケトン体が生成されないことにも繋がり兼ねず単なる栄養失調状態に陥ることもあります。
栄養失調状態なので体重は減りますが驚くほど筋肉も減ります(笑)

またインスリンを分泌する重要な役割もありますので身体作りにおいて糖質は非常に重要な栄養素です。[6]

炭水化物の摂取量基準の詳しい解説

たんぱく質の摂取量の基準について

1日のたんぱく質摂取量を知るためには、自分が目指す身体のタイプによって異なりますが、健康維持、スポーツをする人、ボディメイク(筋肥大)をしたい人の3つに分類することが出来ます。

  • 健康維持:1g×体重kg
  • スポーツをする人:1.5~2g×体重kg
  • ボディメイクをしたい人:2.5g以上×体重kg

このときの体重は除脂肪体重(体重-体脂肪量)で考えると良いでしょう。それぞれのタイプ別の詳しい摂取量については下記に解説しています。

健康維持が目的のたんぱく質摂取量

健康維持が目的のたんぱく質量

1日のたんぱく質量:体重kg × 1g
例:体重45kgの方の場合:たんぱく質45g/日を摂取

健康維持は、運動をしていない日常生活程度に身体を動かし現在の身体を維持することが目標の人のことを指しています。

身体を維持するために必要なたんぱく質量は、様々な研究で調査されていますが、年齢によって異なります。成長期の子供の場合は「0.67g/体重kg/日」若年者の場合は「0.72g/体重kg/日」高齢者の場合は「0.85g/体重kg/日」とされています。ただし、身体の維持が目的ですので環境に大きく左右されることを留意してください。[2,7]

一般的には身体の維持に必要なたんぱく質量は『1g/体重kg/日』として分かりやすく定義されています。

スポーツをする人のたんぱく質摂取量

スポーツをする人のたんぱく質摂取量

1日のたんぱく質量:体重kg × 1.5~2g
例:体重45kgの方の場合:たんぱく質67.5~90g/日を摂取

スポーツをする人とは、野球、サッカー、テニス、陸上、登山など主に有酸素運動(持久力が必要)が中心となる運動をしている人を指しています。

スポーツをした場合、多かれ少なかれ筋肉にダメージが与えられ損傷しています。その筋肉を修復するために、上記の健康維持で必要なたんぱく質量に加えて、身体を修復するために必要なたんぱく質をプラスして摂取することが必要になります。
スポーツをする人が必要とする、たんぱく質量は『1.5~2g/体重kg/日』程度とされています。
傷ついた身体を修復するためのたんぱく質が余計に必要だということがポイントです。

ボディメイク(筋肥大)をしたい人のたんぱく質摂取量

ボディメイクをしたい人(筋肥大)のたんぱく質摂取量

1日のたんぱく質量:体重kg × 2~2.5g以上
例:体重45kgの方の場合:たんぱく質90~112.5g/日を摂取

ボディメイクをしたい人とは、モデル、ボディビルダー、ウェイトリフター、激しいスポーツをする人など筋肉を大きくしたり強くしたり、激しく消耗する運動をしている人を指しています。

筋肥大に沢山のたんぱく質が必要な理由

筋肥大に沢山のたんぱく質が必要な理由

ボディメイクする人が必要とする、たんぱく質量は『2~2.5g/体重kg/日以上』程度とされています。

ボディメイクをする人の場合は、より多くのたんぱく質が必要になります。筋肥大を起こすためには、ウェイトトレーニングなどを行い筋肉へのダメージが必要になるため、一般的なスポーツに比べて筋損傷が大きくなります
筋肉の量や損傷が大きくなればなるほど必要なタンパク質の量が増えると考えられます。

必要なたんぱく質摂取量は人によって違うのは当たり前

現在の筋肥大研究はまだ不明な点も多く、様々な機関で研究が進められています。
1回のたんぱく質摂取量で、たんぱく質の合成速度が最大になるのは「~0.3g/kg体重/回」とされ、「2.2g/kg体重/日」を超えると、たんぱく質の合成は飽和してしまうという研究もあります。ただ、大量のたんぱく質が筋肉の分解を抑制するという研究もあったり、トレーニングの量や質、個人の筋肉量、合成能力など環境により適切なたんぱく質量が変化することも示唆しています。[10,11]

その一方、世界で活躍しているプロボディビルダーの方やボディメイクを行っている多くの方は、「0.3g/kg体重/回 以上」「3g/kg体重/日 以上」を摂取して人も多く、実際の研究結果と実績を残されている方達の間に多少の溝があるのも無視できません。自分自身の身体の反応に注意しながら摂取量は調整していくと良いでしょう。

吸収能力や処理能力には個人差があることを知っておこう!

最近の研究では、たんぱく質は、身体を維持する必要量以下になると筋肉が萎縮・分解され、必要量を超えて摂取できると筋肉は成長するとしています。そして、たんぱく質の合成反応は年齢によっても変わり、トレーニング経験がない若年者は20gのたんぱく質で十分であるのに対して、高齢者は若年者の倍の40gでたんぱく質合成を促すという研究もあります。[7,8,9]

たんぱく質の摂取量は吸収力や合成速度に個人差があるので自身の年齢、スポーツ経験などを基に参考程度にご活用下さい。

脂質の摂取量の基準について

脂質の摂取量の基準について

1日の脂質量:総摂取kcal × 10~30% / 9
例:総摂取カロリー2,000kcalの方の場合、脂質で摂取するカロリーは200~600kcal(22~66.7g)

脂質は、総摂取カロリーの10~30%の範囲で設定します。ダイエットを加速したい場合は10%に近づけていきますが、いきなり10%でスタートすると苦しみます(私のように)。

脂質は前述したように細胞膜や神経をまとめる膜、ホルモンの材料など大変重要な役割があります。その役割を最低限維持できる最低ラインを摂取量の基準としています。アメリカの実験では、脂質量を総摂取カロリーの30%以下に設定したことで体重減少に効果が認められ、リバウンドなどの危険を最小限にする場合は、週の運動時間を150分以上に出来ると体重を維持しやすいとしています。
またエネルギー制限をして体重が減少したとしても、除脂肪体重(筋肉量)が減少しては意味がないとして、運動の重要性についても触れられています。[12]

ボディビルの大会に出場されている身体づくりのプロも総摂取カロリーの20%以下、減量末期でも最低10%以上の脂質を摂っているそうです。[13]

炭水化物(糖質)の摂取量の基準について

炭水化物(糖質)の摂取量の基準について

1日の炭水化物量:総摂取kcal – たんぱく質kcal – 脂質kcal
例:体重60kgで総摂取カロリー2,000kcalの方がたんぱく質2g、脂質20%にした場合、炭水化物量は、1120kcal(280g)

たんぱく質と脂質の残りが炭水化物の必要量になります。

炭水化物は前述した通り、糖質と食物繊維の合算物です。PFCバランスを考えるときの炭水化物は糖質に注目して計算するようにしてください。

ただ注意してほしいのは糖質にも種類があるということです。デザートやお菓子などに含まれる砂糖やブドウ糖、果糖も糖質(二糖類・単糖類)ですが、ダイエットや身体づくり、健康増進を目的としたPFCバランスを組み立てるなら出来るだけ多糖類で糖質を摂るようにしてください。

二糖類や単糖類は吸収スピードが速く急激な血糖値の上昇を起こしやすいためインスリンの分泌が過剰になるなど身体にとって負担になる場合があります。さらに単糖、二糖、多糖は同じ糖質ですが、それぞれ吸収の経路が違うなど細かな違いがあるので、それぞれに摂取する適切なタイミングがあります。

身体づくりで重要なことは、身体に適切な栄養をタイミングよく与えることですので、糖質だからといってスイーツだけで炭水化物を摂取するようなことは避けてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?具体的に何をどのくらい食べたら良いかが分かったと思います。PFCバランスを計画的に整えることができれば、それを守って食生活を送ることで確実に目標とする身体に近づくことが出来ます。もちろん、栄養吸収の面からビタミンやミネラルなどの栄養素も必要になるので、野菜や海藻などもバランスよく食べて、不足するようならサプリメントを上手に活用してバランスを取っていくことが必要です。

「ごちゃごちゃして分かんない!」という方は下記のPFCバランス計算ツールをご利用ください!

出典・引用・参考文献:
1:厚生労働省e-ヘルスネット,三大(五大・六大)栄養素 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-013.html (2018/05)
2:Wikipedia,タンパク質 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%AF%E8%B3%AA (2018/05)
3:藤田 聡, 骨格筋量の調節におけるタンパク質摂取の役割, 体力科学, 公開日 2017/01/21, Online ISSN 1881-4751, Print ISSN 0039-906X, https://doi.org/10.7600/jspfsm.66.11, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/66/1/66_11/_article/-char/ja
4:清水 俊明, 田中 恭子, 宗像 俊, 菊池 透, 成長・発達と脂質, 脂質栄養学, 公開日 2011/05/01, Online ISSN 1883-2237, Print ISSN 1343-4594, https://doi.org/10.4010/jln.20.23, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jln/20/1/20_1_23/_article/-char/ja, 抄録: Lipid nutrition is considered to be very important for the growth and development of children, especially low birth weight (LBW) infants. To improve mental development in LBW infants sphingomyelin is very important as well as docosahexaenoic acid. Brain volume measured by MRI is well correlated with head circumference and its gray matter volume has a relationship with triglyceride levels in umbilical blood. Body weight gain in infants is correlated to obesity and abnormal lipid metabolism in adolescent period. We should always consider effects of lipid nutrition on growth and development in children.
5:今泉 勝己, 窄野 昌信, 脂肪の消化と吸収, 栄養学雑誌, 公開日 2010/11/26, Online ISSN 1883-7921, Print ISSN 0021-5147, https://doi.org/10.5264/eiyogakuzashi.54.271, https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi1941/54/5/54_5_271/_article/-char/ja
6:Wikipedia,タンパク質 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%AD%E6%B0%B4%E5%8C%96%E7%89%A9 (2018/05)
7:日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会報告書 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000041824.html (2015)
8: Bohé J, Low JF, Wolfe RR, Rennie MJ. Latency and duration of stimulation of human muscle protein synthesis during continuous infusion of amino acids. JPhysiol. 2001 Apr 15;532(Pt 2):575-9. PubMed PMID: 11306673; PubMed Central PMCID: PMC2278544.
9: Daniel R. Moore, Tyler A. Churchward-Venne, Oliver Witard, Leigh Breen, Nicholas A. Burd, Kevin D. Tipton, Stuart M. Phillips; Protein Ingestion to Stimulate Myofibrillar Protein Synthesis Requires Greater Relative Protein Intakes in Healthy Older Versus Younger Men, The Journals of Gerontology: Series A, Volume 70, Issue 1, 1 January 2015, Pages 57–62, https://doi.org/10.1093/gerona/glu103
10:Daniel R Moore, Meghann J Robinson, Jessica L Fry, Jason E Tang, Elisa I Glover, Sarah B Wilkinson, Todd Prior, Mark A Tarnopolsky, Stuart M Phillips; Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men, The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 89, Issue 1, 1 January 2009, Pages 161–168, https://doi.org/10.3945/ajcn.2008.26401
11:Stokes T, Hector AJ, Morton RW, McGlory C, Phillips SM. Recent Perspectives Regarding the Role of Dietary Protein for the Promotion of Muscle Hypertrophy with Resistance Exercise Training. Nutrients. 2018 Feb 7;10(2). pii: E180. doi:10.3390/nu10020180. Review. PubMed PMID: 29414855; PubMed Central PMCID:PMC5852756.
12:Medicine & Science in Sports & Exercise: December 2001 – Volume 33 – Issue 12 – p 2145-2156
SPECIAL COMMUNICATIONS: Methods: ACSM Position Stand on Appropriate Intervention Strategies for Weight Loss and Prevention of Weight Regain for Adults

13:岡田隆 除脂肪メソッド(2015)
Postdate: 2018年07月17日
ダイエット編集部
スタイルデザイン編集部です。ダイエットについての情報をまとめて配信しています。ダイエットの基本から裏技まで日々調査中!
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